不動産業界におけるSEOの重要性
不動産業界の集客方法には、ポスティング、チラシ、看板などさまざまなものがありますが、インターネットで情報を得ることが主流になっている今、サイト経由のWeb集客も非常に重要です。
ただ、自社サイトを作っただけでは集客は望めません。
自社サイトが検索結果ページで上位に表示され、多くの人の目に留まる必要があります。
以下のデータは表示順位とクリック率の関係を示したものです。
検索順位 | デスクトップ | モバイル |
1位 | 35.07% | 32.78% |
2位 | 17.06% | 17.73% |
3位 | 10.56% | 11.77% |
4位 | 7.16% | 8.38% |
5位 | 5.10% | 8.40% |
6位 | 3.75% | 4.85% |
7位 | 3.39% | 2.79% |
8位 | 2.15% | 2.49% |
9位 | 1.72% | 1.86% |
10位 | 1.42% | 1.43% |
GOOGLE ORGANIC CTR HISTORY(International)|Advanced WEB RANKING(2020年3月データを参照)
この結果を見てもわかる通り、上位表示されればそれだけクリック率が上がるわけですが、10位以降はクリック率が下がるだけでなく、そもそもユーザーに見てもらえない可能性すらあります。
自社サイトへの集客UPを考えているのであれば、SEOは必須と言えるでしょう。
不動産業界のSEOではキーワードを選びが最重要
不動産業界のSEOでは、キーワード選定が非常に重要です。
当然ですが物件を探している人は、一人一人希望条件が異なります。
極端な話をしてしまえば、考えられる全キーワードの対策ができれば良いのですが、現実的に難しいので、ある程度対策キーワードを絞る必要があります。
対策したいキーワードを決める前に行っておきたいのが、実際にそのキーワードで検索するということです。
検索した結果、上位に表示されているサイトによりも詳細でオリジナリティのある情報が提供できそうなのであれば、対策キーワードとして設定しても良いでしょう。
しかし、すでに十分な情報が提供されていたり、大手のポータルサイトが占めていたりする場合は上位表示が難しいので、あえて狙いに行くのは非効率です。
自社の強みが活かせるキーワードや大手のポータルサイトがカバーしきれないようなキーワードの方が狙い目です。
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不動産会社がおさえておくべきキーワードとは
では具体的にどのようなキーワードをおさえるべきなのかご紹介します。
・地名
不動産を検索する場合、大半の人が「渋谷 1LDK」「吉祥寺駅 賃貸」のように地名を入れて検索するので、地名はおさえておきたいところです。
ただ、地名と一言でいっても、区や駅名など設定できるキーワードはかなり多いです。
そのため、そもそも自社サイトにはどの地域の物件が多いか、検索ボリュームはどれくらいかをあらかじめ調べておきましょう。
・物件情報
2LDK、オートロック、築年数、駅徒歩〇分など、物件情報を対策キーワードに設定することで、顧客から見つけてもらいやすくなります。
不動産情報を検索する際に使用するキーワードはすべて対象となりますが、自社で扱っている件数が少ない物件情報をキーワードとして設定してもあまり意味がありません。
自社で扱っている件数が多い物件から適切なキーワードを設定するようにしましょう。
・ロングテールキーワード
ロングテールキーワードというのは、複数のキーワードを組み合わせて構成された検索キーワードのことです。
ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないので、対策しても意味がないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、不動産業界においてはロングテールキーワードでのSEO対策が非常に有効です。
たとえば、「渋谷 賃貸」というキーワードで検索している顧客と「渋谷 賃貸 ペット可 デザイナーズ」で検索している顧客だったら、後者の方がニーズが顕在化していることがわかります。
ロングテールキーワードは、検索ボリュームこそ少ないですが、着実におさえることでニーズが顕在化した確度の高い顧客からの反響獲得につなげやすくなるのです。
また、ロングテールキーワードをおさえるメリットは他にもあります。
ロングテールキーワードはコンテンツが作りやすいという特徴があります。
さまざまなロングテールキーワードに基づいてコンテンツを増やしていければ、サイト全体のボリュームも増え、アクセスの増加も見込めます。
さらに、ロングテールキーワードはビッグキーワードに比べると競争率が低いので上位表示を狙いやすくなります。
・潜在的なニーズがあるキーワード
潜在的なニーズがあるキーワードというのは、「子育てしやすい街」「治安がいい街」「新宿 賃貸」などです。
こういったキーワードで検索する人は、まだ住みたい街がはっきり決まっているわけではないけれど、引っ越しを検討している可能性があります。
ニーズが顕在化している顧客と違って、今すぐに不動産サイトで賃貸や家を探すわけではないかもしれませんが、この先顧客になってくれる可能性は十分にあるので、潜在的なニーズがあるキーワードについてもおさえておいたほうが良いです。
成約につなげたいならLPOの導入を
LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)は、顧客が求めている情報を入手しやすくし、離脱を防いで成約率を上げるというものです。
LPO対策がしっかりできていると、ロングテールキーワードで検索してきたような確度の高い顧客からの反響獲得(実店舗への来店)につなげることができます。
SEO対策をしっかり行うことで、集客はできますが、その後の成約には直接結びつきにくいです。
そのため、SEOを行いつつ、集客した顧客を目的に向かって誘導するLPOも同時に行うことで成約につなげやすくなるのです。
不動産サイトのLPO対策としては、
・問合せフォームへのサイト導線を整える
・ランディングページに検索キーワードを含んだ物件リストを表示する
・物件名で検索した場合、その物件の詳細ページが表示されるようにする
などがあります。
まとめ
不動産業界のSEO対策においては、キーワード選びが非常に重要です。
特におさえておきたいキーワードとしては地名、物件情報、ロングテールキーワード、潜在的なニーズがあるキーワードなどがあります。
なかでもユーザーのニーズがより具体化されているロングテールキーワードは、不動産業界が行うSEOと相性が良いとされています。
自社の強みを活かしたようなロングテールキーワードが設定できれば、競合他社にも差をつけることができるでしょう。
また、SEO対策は集客においては大きな効果がありますが、成約には直接的に結びつかないので、成約率を上げたい場合は、LPOも並行して行っていきましょう。